遠江山中

浮世絵

葛飾北斎の浮世絵「富嶽三十六景」の「遠江山中」について説明する。

この浮世絵の遠江は現在の静岡県西部で、その山の中に位置する。

山の中なのに、大きな木がない。日本の山の中では、杉とか雑木が多く茂っているはずであるが不思議な光景である。

巨大な材木を人の高さの倍以上もの高さにまで立て、2人木梚き職人が大きな歯の特別なのこぎり使い、1人は材木によじ登り、上から丹念に切れ目を入れる。
もう1人は下から切れ目を入れている。

この浮世絵の構図は足場、足場と材木、足場から見える富士も三角で3つの三角で構成している。

赤ん坊を背負った女性が、お弁当の入った包みを持ってきた。
母親に背負われた赤子は、真上の材木を一心に見つめている。
職人たちが働く傍らで、子どもが焚火をしている。
その煙は富士を取り巻く雲と連動して、バランスよく材木と対角線の方向に伸びている。
また、浮世絵の技法では、煙は細かく線で彫り、ぼかしも使われていて手の込んだ表現になっている。

画面左手前には、別の男がのこぎりの目立てをしている。
その男に向かって、子どもを背負った女がなにやら話しかけている。

この浮世絵は1830年から1832年頃の作品である。北斎の年齢が72歳頃になる。

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