葛飾北斎の浮世絵「富嶽三十六景」の「隅田川関屋の里」について説明する。
この浮世絵の関屋の里は、現在の足立区千住付近、京成線に関屋駅がある。
隅田川に面する一帯のこと。
隅田より千住河原までの一円の地を言う。
この浮世絵には、隅田川は描かれていない。
鎌倉時代に関所が設けられていたからその名がついた。
朝霞がたちこめる早朝で、遠方には朝の日に照らされた赤富士が見える。
この浮世絵は田畑にのびる堤の上を牛田堤を馬で疾走する旅装姿の3人の武士は早馬の臨場感をよく表現している。
この躍動の色使いや馬の細かい表現がすばらしい。
笠でその騎馬の顔の表情を見せないが、いずれも視線が前方に向けられている。
右端に描かれているのは法令などを掲示する高札場である。
中央に伸びる松の木は明らかに富士山の山容を意識した枝振りをしている。
この浮世絵は1830年から1832年頃の作品である。北斎の年齢が72歳頃になる。

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